「半沢直樹」第5話より　(C)TBS

堺雅人が主演を務める日曜劇場「半沢直樹」(毎週日曜夜9:00-9:54、TBS系)の第5話が8月16日に放送された。今回から「銀翼のイカロス」を原作とした新たなエピソードが描かれているが、半沢直樹の辞書に“中だるみ”の文字はなし。第5話は平均世帯視聴率25.5％(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と前回から2.6ポイントアップしたほか、放送直後の同日夜10時台には「#半沢直樹」がトレンド世界一に立つなど、大きな注目を集めた。(以下、ネタバレがあります) 【写真を見る】「下町ロケット」(2015年)に登場した帝国重工・財前部長(吉川晃司)。誠実な人柄で同作きっての人気キャラに！ 同作は、池井戸潤原作、堺雅人主演で2013年に放送され、大ヒットしたドラマの続編。 堺演じる銀行家・半沢直樹の決めぜりふ「やられたらやり返す。倍返しだ！」が社会現象となり、最終回で驚異の視聴率42.2％(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した前作から7年。 今シーズンは前半で「ロスジェネの逆襲」、後半で「銀翼のイカロス」(ダイヤモンド社/講談社文庫)を原作に、半沢のスカッとする逆転劇が描かれている。第5回からはその後半部分。出向先の東京セントラル証券から東京中央銀行に返り咲いた半沢が「帝国航空」の再建に挑む。 ■ 「帝国重工」も半沢案件だった！ 半沢は独自の観点から帝国航空の現状を見つめ、自力再建の目はまだあると確信。きわどい手も使って帝国航空内の不穏分子をあぶり出し、社員たちの間に団結心を芽生えさせることに成功した。 第二部初回の今回、平均世帯視聴率は25.5％。“中だるみ”も心配されたが、ふたを開けてみれば22.9％だった第4話から一気に2.6ポイント増で、2020年版としては最高値を更新した。 また、SNSでの話題も独占。番組放送終了直後の夜10時台にはTwitterで「#半沢直樹」が今回もトレンド世界一に。第1話から5週連続でトレンド世界一という偉業を更新中だ。 そんな中で今回話題を呼んだのが、半沢が口にした“経歴”。 帝国航空の現状をじっくり視察した半沢は、部下の田島(入江甚儀)に「俺はバンカーとしていろいろな企業を見てきた。大阪の町工場に製鉄所、大型ホテルチェーン、帝国重工。まだまだ未熟の俺だが、いつのまにか自分なりの物差しができた」と自らの経歴を語り、その“物差し”に照らして「(帝国航空の)従業員たちはみな、自分の仕事にプライドを持っている」「ここは腐ってない」と結論づけた。 ■ 電光掲示板に“池井戸ワールド”各社が登場 半沢が過去にかかわった案件の一つとして登場した“帝国重工”。その名から連想するのは、なんといってもドラマ「下町ロケット」(2015年)に登場した一大企業グループ。インフラ設備や産業機械、はては宇宙事業にまで参画する巨大企業だ。 「下町ロケット」では、ロケットの部品供給をめぐって主人公・佃航平(阿部寛)と帝国重工の宇宙航空部部長・財前(吉川晃司)が対峙。自分の仕事に誇りを持つ佃と財前の友情とも呼べる絆、そして、2人の宿願であるロケットの打ち上げシーンは多くの視聴者を感動させた。 「下町ロケット」「半沢直樹」はどちらも池井戸潤氏の小説が原作で、ともにTBS日曜劇場の人気作品。2つの作品の世界観をつなぐこの“小ネタ”演出は、両作のファンにとって心憎いファンサービスといえる。実際、視聴者からは「半沢さん、帝国重工も担当してたの…!?」「財前部長と半沢のタッグ見たすぎる!!」といった興奮の声が上がった。 今期の「半沢直樹」ではこれまでも、株価を表示する電光掲示板に「下町ロケット」の佃製作所、「陸王」(2017年)のダイワ食品、「ルーズヴェルト・ゲーム」(2014年)の青島製作所、「ノーサイド・ゲーム」(2019年)のトキワ自動車の株価が表示されるなど、池井戸原作の「日曜劇場」作品をつなぐ演出が登場している。 高い視聴率、SNSでの話題の大きさなど視聴者に愛される「半沢直樹」。計算されたストーリーや演出、キャスト陣の演技力に加え、こうしたファンを楽しませる遊び心も、ドラマの魅力づくりに一役買っているようだ。 8月23日(日)は「半沢直樹」第6話を放送する。 自らの目で、現場で働く人々を見て何とか再建案を作り上げた半沢たち。しかし、政府直属の再建検討チーム「帝国航空タスクフォース」のリーダー・乃原正太(筒井道隆)は、そんな半沢たちの努力をあざ笑うかのように、再建案を白紙に戻すと容赦なく告げる。その強引かつ高圧的な態度に半沢は反発し、宣戦布告。両者は激しく衝突する。 （ザテレビジョン）